こんばんは。今日は夜の投稿です。
今日は名人戦七番勝負第6局目の1日目でした。佐藤名人が3勝2敗と先行しており、あと1勝すれば防衛が決まります。対して羽生二冠は後が無い状況になっています。その中羽生先生は△7四歩取らせ戦法を採用しました。
プロ棋士の中では山崎八段や糸谷八段が採用しているのは見たことがありましたが、羽生二冠がこの戦法を採用されるのはとても珍しい印象を受けました。後手番の狙いとしては△7四歩を取らせる間に手得をすることですが、実際に優位に繋げるのは容易ではありません。具体的には後手番は歩切れなので、仕掛けの形を作るのが難しいです。そのあたりがこの対局のポイントになることが予想されます。この△7四歩取らせ戦法についてですが、今月発売されたsuimonさん著の『コンピュータ発! 現代将棋新定跡』に詳しく解説されているので、興味のある方はご参照ください。
本譜は佐藤名人が長考した後に△7四歩を取る変化に入りました。そして数手後に下図に進みました。
この局面は個人的な後手の分岐点の局面に入っています。本譜は△5四歩と突きましたが、ここで欲張るのであれば△2四歩もあったと思います。狙いとしては▲2五飛と味良く戻らせないことですが、自陣が安定しなくなることを考えるとやりづらかったでしょうか。このあたりは棋風によって分かれそうです。自分なら△2四歩を狙ってみたかったのですが(^^;
本譜は穏やかな展開となり駒組みが続きました。そして下図が封じ手の局面です。
先手は雁木に近い構えをしており、後手は銀冠が組みあがっています。先程も書きましたが、後手番はいかに仕掛けの糸口を作るのか。そして先手は仕掛けを封じながら自玉を安定させるかを目指していきたいです。自分の封じ手予想は△5五歩とします。狙いとしては△5三銀~△5四銀~△6四歩として6筋から歩を入手したいです。また他の予想手は△3一玉あたりでしょうか。
1日目から最近注目されている戦法のひとつである△7四歩取らせ戦法を採用した羽生二冠。その注文を受けた佐藤名人。お互いの意地がぶつかった将棋が展開されました。2日目はどのように進んでいくのか注目です!
今日は以上です。ここまで読んでいただきありがとうございました(*^-^*)